わが国では、「歩く姿は百合の花」のたとえに使われたように、清楚で魅せられる美しいユリの花を野山でたくさん見ることができました。

身近に飾れて、香りの素晴らしい、花型花色ともにほれぼれするようなユリを創りたいと品種改良に取り組んでいます。


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品種改良その3

 組織培養中の球根の形と、開花し始めた種間雑種化が進んだ交配種の花の良し悪しの相関性が少しみえてきました。リン片が幅広で、肉厚、球のしまりが良く、少し扁平になるものがよい花を咲かせる傾向にあります。

手持ちで最高のものは (03-1×タモト)×〔(ルレーブ×ササ№3)×ササ〕で、ウケユリ、タモトユリ、O.Hyb.のルレーブを一回、岐阜県舞台峠産ササユリを三回交配したものです。2019年9月に畑に定植してありますが、まだ未開花で今年か遅くとも来年には咲くと楽しみにしています。 原種のササユリの中でも私が交配親に使っている奈良県吉野町産、三重県磯部町産、岐阜県舞台峠産のものも培養中良い形をしています。
2019年に開花したものをいくつか紹介します。

1)イズユリ土屋氏系×(明日香の舞×ササ)
 南伊豆産イズユリ土屋氏系、ウケユリ、オトメユリ、静岡県磐田産ササユリを交配したもの。
 2013年(平成25年)7月4日の交配。
2018年のホームページの組織培養の利用の報告の中で、1粒の種子の中から10数個にまで球根が増える報告をしましたがこの技術を利用して開花させたものです。個体別に特性が観察できました。小輪系のササ型。細葉で葉もしっかりしており、開花期は、個体別に6月25日から7月9日まで幅があるので切り花に向いています。個体別に自家受粉で種子もまとまって採れたので先が楽しみです。

  6月15日開花     6月16日 開花     7月9日 開花  

2) 04-1×オトメ   〔(ルレーブ×ササ)×ササ〕×オトメ


ルレーブ、オトメユリを一回、岐阜県舞台峠産ササユリを二回交配したもの。2013年(平成25年)7月9日の交配。斜め上向き咲きのササ型だが花型と花色に独特の美しさがある。オトメユリにはないピンクで透明感があり花粉の赤ともよく似合っている。
1次選抜個体。

3) 葯培養ニオイユリ×(ウケ×タモト)

和歌山県産イズユリ、ウケユリ、タモトユリを交配したもの。
2014年(平成26年)7月12日の交配。
花が大きく、ピンク色。花弁の幅が広いので花型がしっかりしているが、葉幅が広く、花とのバランスが悪いので、改良の余地がある。

4)  〔葯培養ニオイユリ×(ウケ×タモト)〕×奈良県産ササユリ

3)に更に奈良県吉野町産ササユリを交配したもの。
花が大きくなりやや下向きに咲く。
北陸系ササユリのように花筒の中間がややふくらむが、花色が素晴らしい。花弁の先が反転して大きく見える。

5) 佐川町×奈良 

高知県佐川町産ササユリと奈良県吉野町産ササユリを交配したもの。
6月29日の開花。
ササユリとしては大輪同士の交配なので花が大きく、花弁の先は反転している。中葉、淡いピンク色、筒長、斜め下向きに咲くが、優良花といえる。

6) 土屋×佐川町

南伊豆産イズユリ土屋氏系と高知県佐川町産ササユリを交配したもの。2014年(平成26年)7月16日の交配。6月30日の開花。ササユリ型ではあるが花弁の幅が広く、O.Hyb.の花型まではいかないが、花が広がり大きく見える。中葉、花色、花型とも素晴らしい。一次選抜個体。

7) 岐阜×佐川町
岐阜県舞台峠産ササユリと高知県佐川町産ササユリを交配したもの。2014年(平成26年)7月12日の交配。6月30日の開花。花弁の幅が広く、白に近い淡いピンク。斜め下向き咲きながら筒長で大輪、草の中で見ても存在感がある。ササユリ型の大輪、花型、花色、葉、茎ともバランスが良く優良花。 一次選抜個体。

8) 土屋×奈良

南伊豆産イズユリ土屋氏系と奈良県吉野町産ササユリを交配したもの。2014年(平成26年)7月13日の交配。7月2日の開花
形の整ったササユリ型、ピンク、少し斜め下向きに咲く。細葉、筒長で花が大きく見える。花粉親の奈良県吉野町産ササユリの影響が大きい。

9) 04-1×ウケ

ルレーブ、岐阜県舞台峠産ササユリは二回、ウケユリを交配したもの。2014年(平成26年)7月8日の交配。7月2日の開花。
中輪、淡いピンク、(ルレーブ×ササ№3)×ササの花型に近い。花色は、透明感があり、花弁の幅も広く優良花。一次選抜個体。

10) (ササ×ウケ)×奈良

岐阜県舞台峠産ササユリ、ウケユリ、奈良県吉野町産ササユリを交配したもの。同じ交配のものが3年くらい前から次々と咲いているが、いずれも優良花。個体選抜して増殖すると品種群が作れる。写真のものは開花二日目(7月8日開花)、白花で斜め下向きに咲く。

11)  大峠×(ウケ×タモト)

南伊豆産ササユリ、ウケユリ、タモトユリを交配したもの。2014年(平成26年)7月16日の交配。7月11日の開花。広葉、花弁の幅が広くしっかりしている。白が美しく花が大きく見える






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